店舗ブランディングとは?成功事例や効果、具体的な方法を解説

店舗経営には、ブランディングが欠かせません。
店舗ブランディングがうまくいけば、利益が増えたり良い人材を採用できたり、さまざまな効果があります。
店舗経営を行っており、店舗ブランディングについて詳しく知りたい方もいらっしゃるでしょう。
今回は、店舗ブランディングの効果6つと方法7つについてまとめました。
本記事は、すでに店舗を構えている方に向けたものですが、これから出店予定の方の参考にもなるでしょう。
ブランディング支援に携わる立場から本音で解説します。
記事を最後までチェックすれば、店舗ブランディングについてひと通り理解できます。
店舗ブランディングとは?
店舗ブランディングとは、店舗独自の価値やイメージを一貫して発信することで、他店との差別化を図り、集客や顧客のファン度を高める取り組みです。
競合が多く、顧客にたくさんの選択肢がある現代では「物が良い」「サービスが良い」というだけでは、なかなか選ばれません。
そこで重要になるのが、店舗ブランディングです。
店舗ブランディングの成功には、明確なコンセプトと一貫性のある体験の提供が不可欠です。
例えばスターバックスは、日本の1号店を銀座に出店することで、その価値を明確に伝えました。
喧騒の中にある「ゆっくりできる場所」という対比が「第三の場所」というコンセプトをより際立たせたのです。
店舗ブランディングによって顧客の心にブランドを浸透させることで、集客力や収益の向上につながります。
店舗ブランディングで期待できる効果
店舗ブランディングで期待できる効果は、以下の6つです。
- 認知を獲得できる
- リピーターが増える
- 口コミが増える
- 売上が増える
- 従業員の士気が上がる
- 良い人材を採用できる
それぞれ詳しく見てみましょう。
認知を獲得できる
人は1日に、数百〜数千件の「店舗」を目にしているはずです。
しかしその大半は、印象に残りません。行ってみたいとも思いません。
店舗ブランディングが成功すると、顧客に店舗の特徴や価値が強く印象付けられます。
一貫したデザインやメッセージが顧客の記憶に残ることで、店舗名やブランドを自然に思い浮かべる機会が増えるでしょう。
例えば、目を引く店舗外観や特徴的なロゴ、印象的な体験が顧客の記憶に残ります。
認知を獲得することで新規顧客の来店を促進し、集客効果を高めることができます。
リピーターが増える
人口減少や競合増加の影響により、国内における新規顧客獲得コストは今後も上がり続けます。
そんななか重要度が上がっているのが、リピーター施策です。一度来店したことがある方は、次回来店のハードルが大きく下がるので、低コストでの顧客獲得が可能です。
一貫したブランド体験や魅力的な店舗デザイン、心地よい接客によって店舗ブランディングができると、顧客満足度が高まり、「またここに行きたい」と思ってもらえます。
口コミが増える
店舗ブランディングによる特別な体験が、口コミ数の増加につながります。
広告費をかけずとも「このお店でこんなことがあったよ」とブランドが広がっていきます。
例えば、ユニークな店舗デザインや限定商品が話題となることは少なくありません。SNSでの拡散を視野に入れて、ブランディングを行うのも一つの方法です。
また、口コミはSNSに限った話ではありません。満足度の高い体験をした顧客は、友人や家族にその良さを勧めてくれます。
身近な人からの口コミは信頼度が高く、店舗に訪れてくれる確率もグンと上がるでしょう。
利益が増える
店舗ブランディングによって認知・リピーター・口コミを獲得できると、利益が増加します。
仮に売上が変わらなかったとしても、新しい顧客の獲得にかかるコストを抑えられるからです。
また、広告を使って集客した場合とは異なり、顧客はブランドに「共感」してくれているので、顧客単価も上がるでしょう。これも利益増加につながります。
一貫したブランドイメージが価格以上の価値を顧客に与えられると、顧客が店舗に足を運ぶ理由が「価格」ではなくなるため、価格競争に巻き込まれずに済みます。
従業員の士気が上がる
店舗ブランディングは、顧客のみならず、従業員に対してもプラスの効果があります。
従業員がブランドの価値観や理念に共感すると、それに誇りを持って働けるようになります。
例えばスターバックスの店員さんに対して「他の飲食店よりも従業員がいきいきしている」という印象を抱く方も多いでしょう。
これは従業員が、スターバックスの価値観やブランドイメージに共感しているからです。
「自分は特別な場所で働いている」と感じてもらうことで、従業員は日々の業務へのモチベーションが向上し、顧客対応の質も向上します。
良い人材を採用できる
店舗ブランディングは、採用活動にも良い影響を与えます。良い人材に「ここで働きたい」と思ってもらえるからです。
特に、ブランドの価値観やミッションに共感する優秀な人材が集まりやすくなります。
店舗ブランディングがうまくいくと、広告費をかけずとも集客ができるとお伝えしましたが、採用も同じです。
通常、良い人材を獲得するには採用コストや良い給与・待遇が必要です。
しかし、店舗ブランディングがうまくいくと、採用コストをかけずに、給与や待遇以上の人材を採用できます。
良い人材を獲得できれば、会社のあらゆる面がプラスに作用しはじめます。
良い人材の獲得は、店舗ブランディングにおける最大のメリットと言っても過言ではありません。
店舗ブランディングの具体的な方法
店舗ブランディングの具体的な方法は以下のとおりです。
- ブランドコンセプトを決める
- 出店の目的を明確にする
- 土地柄を理解する
- ターゲットや競合を分析する
- 店舗コンセプトを決める
- ブランドの世界観を決める
- ブランドについて発信する
- 効果測定を行う
1つずつ詳しく解説します。
1.ブランドコンセプトを決める
店舗ブランディングの第一歩は、明確なブランドコンセプトを決めることです。
ブランドコンセプトは、店舗のみならず、すべての施策の基盤となります。
ブランドコンセプトを決めるには「誰に何を提供するのか」を明確にしましょう。
またDNARBでは「敵を明確にすること」もブランドコンセプトを決める上で大切だと考えます。
例えばテスラは「化石燃料」を敵とし、ボディショップは「動物実験」を敵として掲げています。
何に立ち向かうかを明確にすることで、あらゆる面で一貫性が生まれます。
ブランドコンセプトなくして、店舗ブランディングはできません。
2.出店の目的を明確にする
店舗ブランディングを成功させるには、出店の目的を明確にすることが重要です。
目的は、売上アップだけではありません。地域でのブランド認知向上や特定の顧客層へのアプローチなどさまざまです。
例えば、フラッグシップストアとしてブランドの象徴を作るのか、コミュニティに根差した店舗を目指すのかで、必要な施策は異なります。
出店の目的を明確にすることで、店舗の設計や運営方針に一貫性が生まれ、顧客に対しても強いメッセージを発信できます。
3.土地柄を理解する
土地柄を理解すると、どんな人が住んでいて、何を好む傾向にあるのかなどが見えてきます。
例えば、都市部と郊外では消費者のニーズや価値観が異なるため、それに応じた店舗デザインや商品ラインナップが必要です。
都市部のモデルが全国どこでも通用するとは限りません。
4.ターゲットや競合を分析する
ターゲット顧客のニーズや購買行動、ライフスタイルを把握することで、店舗のコンセプトや商品構成、サービス内容を最適化できます。
競合店舗の強みや弱みを分析することで、自店舗がどのように差別化を図るべきかが明確になります。
例えば競合が価格で勝負している場合、自店舗は品質や体験価値にフォーカスするなど、独自性を打ち出すことが可能です。
5.店舗コンセプトを決める
店舗コンセプトとは、顧客がその店舗でどのような体験や価値を得られるのかを明確に表現するものです。
これまでのステップ(目的・土地柄・ターゲット・競合などの情報)を参考に、ブランドコンセプトをうまく店舗に落とし込みます。
例えばオフィス街の会社員をターゲットにする場合は「仕事の合間にリフレッシュできる空間」、郊外のファミリー層をターゲットにする場合は「家族でゆっくり過ごせる空間」といった形です。
デザインやロゴといった具体的な世界観は、次のステップで決めます。このステップでは、あくまで店舗の方向性を決めておきます。
6.店舗の世界観を構築する
世界観とは、ブランドが顧客に提供する価値や体験を包括的に表現したものです。
デザイン・ロゴ・体験などに、ブランドの世界観を反映させましょう。
例えば、スターバックスであれば「第三の居場所」「サードプレイス」という世界観が店舗デザインや接客方法などに反映されています。
7.店舗について発信する
店舗ブランディングに関することをひと通り決め終えたら、次はそれを発信しましょう。
発信方法は、以下のように複数存在します。
- SNS
- SEO(Googleなど検索エンジンでの上位表示)
- MEO(Googleマップなど地図サイトでの上位表示)
実店舗の場合、特にMEOが重要な発信手段となります。
Googleマップなどの検索結果で上位に表示されることで、新規顧客の来店を促進できるからです。
写真やレビュー・営業時間・サービス内容などの情報を正確かつ魅力的に更新し、店舗の雰囲気やブランド価値が伝わるように工夫しましょう。
8.効果測定を行う
売上データや顧客フィードバック、SNSでの反応など、さまざまな情報を活用してブランディング施策の成功度を評価しましょう。
効果測定に使える指標の例は以下のとおりです。
- 利益率
- 口コミ
- 紹介率
- リピート率
- LTV(顧客生涯価値)
上記のような指標を確認することで、店舗ブランディングが上手くいったかどうかを判断できます。
なお計測すべき指標は、店舗出店の目的によって異なります。そして店舗出店の目的は人それぞれです。
よって上記以外の指標も、必要に応じて計測しましょう。
関連記事:ブランディングで得られる5つの効果と効果測定に使える指標や方法を解説
店舗ブランディングの成功事例
以下3社の、店舗ブランディング成功事例を紹介します。
- アップルストア
- IKEA
- スターバックス
1つずつ詳しく見てみましょう。
アップルストア
アップルストアは、Apple製品の「革新性」と「シンプルさ」を象徴する店舗ブランディングの成功事例です。
店舗はガラス張りで広々としており、製品の魅力を最大限に引き出すシンプルな空間となっています。製品を自由に試せる展示方法も魅力的です。
店舗そのものがブランドの象徴となり、新製品発売時には大行列ができるほどです。
IKEA
IKEAでは、店舗全体がショールームの役割を果たしています。家具を実際の生活空間のように展示し、顧客に「住まいのイメージ」を具体化させます。
これにより顧客は自宅での利用イメージを具体的に描けるようになり、購買意欲を刺激されるでしょう。
また、レジ付近にあるカフェや組み立て式の手頃な家具、店舗出口で商品を自らピックアップするシステムが「買い物体験そのものが楽しい」というブランドイメージを顧客に与えています。
スターバックス
スターバックスは「第三の場所」というコンセプトを基にした店舗ブランディングの成功事例です。
家庭や職場以外の「もう一つの場所」として、リラックスできる空間を提供しています。
無料Wi-Fiや快適な座席配置、丁寧な接客を通じて、コーヒーを飲むだけでなく、長時間滞在したくなる体験を提供しています。
テレビCM等の広告を打たずに強いブランドを作り上げているのも、スターバックスの特徴です。
店舗ブランディングはDNARBにご相談ください!
DNARBでは、企業のブランディング支援を行っています。
SNSや広告などの手法ありきの施策ではなく「そもそも何をやるべきか」という戦略・企画から考えます。店舗ブランディングにおいても同様も得意です。
店舗ブランディングのお悩みは、ぜひDNARBにご相談ください。代表本人がご対応させていただきます。詳しくは以下よりご確認ください。
まとめ
本記事では、店舗ブランディングの効果6つと方法7つについて解説しました。
店舗ブランディングは、顧客と従業員の両方に対して良い影響をもたらします。本記事で紹介した流れで、店舗ブランディングを行ってみてください。
店舗ブランディングについてお悩みを抱えている方は、ぜひDNARBにご相談ください。詳しくは以下よりご確認いただけます。