ブランディングは差別化が命!独自化との違いや具体的な方法を解説

ブランディングがうまくいけば「他社との競争」から解放されます。広告費を抑えられ、勝手にファンが増え、良い人材も集まります。
 
そしてブランディングを成功に導くための鍵となる考え方が「差別化」です。
 
今回は、ブランディングにおいて差別化が重要視される理由5つや差別化の具体的な方法4つをまとめました。よく混同される独自化との違いも簡潔に紹介しています。
 
ブランディング支援に携わる立場から本音で解説します。
 
記事を最後までチェックすれば、ブランディングや差別化について自社の商品・サービスに当てはめて考えられるようになりますよ。
 

そもそもブランディングとは?

ブランディングは英語で「branding」です。「brand」+「ing」で「ブランドにしていく」という意味で、企業や商品・サービスの価値や魅力を明確にし、それを市場に伝えることで、顧客に特定の印象や認識を与える活動を指します。
 
例えば、顧客に「お腹が空いたからサイゼリヤに行こう」のように第一想起し、行きたいと思ってもらうのがゴールです。
 
DNARBでは、ブランディングとは「選ばれる」×「違い」づくりであると考えています。
 
偶然選ばれても、違いがなければリピーターにはなりません。他と異なるだけでは、選んでくれるかも分かりません。
 
「選ばれる」×「違い」の両者を満たすことで、ブランディングはうまくいきます。
 
ブランディングは、単なるロゴやキャッチコピーの作成にとどまりません。
 
企業の理念や提供する商品・サービスの品質、顧客対応、広告活動など、すべての接点で一貫性を持ったメッセージを届けることが求められます。
 
ブランディング最大の目的は「他社との競争を避けること」です。
 
ブランディングがうまくいくと、顧客の信頼感や共感が得られ、購買意欲やロイヤリティの向上につながります。
 
これが集客や売上の増加につながります。
 

ブランディングにおける差別化とは?

ブランディングに欠かせない考え方が、差別化です。
 
ブランディングにおける差別化とは、競合他社と比較して、自社のブランドや商品・サービスを顧客にとって特別で魅力的な存在にすることを指します。
 
市場は類似商品で溢れています。ブランドの差別化ができていない場合、類似商品の中から選ばれる際の基準になるのは、主に価格やスペック等の要素です。
 
しかし、差別化に成功しているブランドは、同じ市場内で複数の選択肢がある場合も、顧客に選ばれる確率が高まります。
 
差別化によって価格競争に巻き込まれるリスクを減らし、ブランド自体の価値を高めることが可能です。
 
具体的な方法については後述しますが、差別化には機能面・感情面・体験面によるものの3つがあります。
 

差別化と独自化の違い

差別化とは、競争を避けるために他社と同じ土俵でより魅力的な商品・サービスを提供することです。
 
一方、独自化とは、競争を避けるために他社と異なる土俵で商品・サービスを提供することです。
 
どちらも「競争を避けるための戦略」という点では共通しています。しかし土俵が異なります。
 
差別化と独自化は、対立する考え方ではありません。お互いに補完関係にあります。
差別化を通じて競争優位を確立し、そこから独自化によって長期的なブランドを築くような戦略もあります。
 

ブランディングにおいて差別化が重要視される理由

以下5つの理由から、ブランディングでは差別化が重要視されています。
 
  • ブランドの認知が向上するから
  • 価格競争を避けられるから
  • 顧客ロイヤリティが高まるから
  • 長期的なブランド戦略の基盤になるから
  • 自然と良い人材が来てくれるようになるから
 
それぞれ詳しく見てみましょう。
 

ブランドの認知が向上するから

1日に目にする広告の数は、数千件と言われています。これは江戸時代であれば1年かけて目にする広告量に匹敵すると言われています。
 
市場には多くの類似商品やサービスが存在するとお伝えしました。目にする広告の数は1日数千件でも、その大半は差別化されておらず、記憶に残りません。
 
そんななか差別化によって特定の特徴やメッセージを打ち出すと、競合と明確に区別される存在になります。
 
よってブランドの認知向上につながります。
 
顧客がブランドを一度認識すれば、次回以降の購買時に自然と想起する可能性が高まるでしょう。
 
いくら広告を出しても、ブランドが人々に「認知」されなければ意味がありません。
 
 

価格競争を避けられるから

商品・サービスを提供する上で、最も避けるべきは価格競争です。価格競争に陥ると、利益率が圧迫されて消耗するだけです。
 
しかし商品・サービスが差別化されていないと、価格競争は避けられません。比較する要素が価格くらいしかないからです。
 
差別化には、価格以外の判断基準を形成する効果があります。「少し高くてもこちらを選ぼう」と思ってもらえます。
 
コーヒーチェーンのスターバックスが分かりやすい例です。
 
スターバックスのコーヒー1杯の価格は420円と、競合他社より高くなっています。
 
しかし、家庭・職場に次ぐ「サードプレイス」としてのブランディングがうまくいき、世界最大のコーヒーチェーンとなっています。
 

顧客ロイヤリティが高まるから

顧客ロイヤリティは、商品・サービスに対して顧客が抱く信頼・愛着・忠誠心を意味します。「ロイヤリティ」は「忠誠心」という意味の英語表現です。
 
顧客ロイヤリティを高めると、リピート購入やポジティブな口コミの獲得などにつながります。
 
顧客ロイヤリティを高めるための施策は複数ありますが、その中の1つが差別化です。
 
他社では得られない価値の提供が、顧客との深い信頼関係や感情的な結びつきにつながります。
 
例えばAppleは、洗練されたデザインや革新性によって差別化をしています。
 
スマートフォン・パソコン・イヤホン・タブレット端末を全てAppleで統一している方も少なくありません。「Apple信者」という言葉もあるほどです。
 

長期的なブランド戦略の基盤になるから

差別化ポイントが明確であれば、企業はそれに基づいて一貫したブランドメッセージや施策を展開できます。
 
そして一貫性のある施策は、顧客に「このブランドならではの価値」を強く印象づけ、競合との差別化を強化します。
 
ブランド戦略が長期になればなるほど、方向性が市場に浸透し、競合が模倣しづらいポジションを確立できるでしょう。
 
「〇〇と言えば〇〇だよね」といったイメージが市場に浸透する形です。
 
特定の市場で確固たる地位を築けば、その成功モデルを他の地域や分野に展開することが容易になります。
 
このように、ブランド戦略の基盤ができると、拡大戦略や新規市場への進出など、次の選択肢も見えやすくなってきます。
 

自然と良い人材が来てくれるようになるから

ブランディングにおける差別化によって企業の独自性が際立つと、自然と良い人材が集まるようになります。
 
求職者に対して明確な価値観やビジョンが伝わり、それが共感につながるからです。
 
例えば、環境への取り組みを重視する企業には、同じ志を持った人材が集まる傾向にあります。
 
良い人材を獲得するために、給与や待遇を極端に改善する必要もありません。
 
そして良い人材を獲得できれば、会社のあらゆる面がプラスに作用しはじめます。
 
ブランディングというと、顧客にばかり目が向きがちです。しかし良い人材の獲得は、ブランディングにおける差別化の最大のメリットと言っても過言ではありません。
 

ブランディングにおける差別化の具体的な方法

ブランディングにおける差別化の具体的な方法は以下の4ステップです。
 
  1. 敵を明確にする
  1. ブランドの立ち位置を決める
  1. ブランドのアイデンティティを明文化する
  1. ブランドの宣伝を行う
 
1手順ずつ詳しく解説します。

敵を明確にする

一般的には、ブランディングの第一歩は「誰に何を提供するのかを明確にすること」とされています。
 
それも正しい方法ですが、DNARBでは、ブランディングにおける差別化の第一歩として「敵を明確にする」という手法をとっています。
 
共通の敵を作ると、仲間意識が強まるからです。この原理は、ブランディングにも応用可能です。
 
具体的には、既に常識になっている事柄(=敵)に対して問題提起をしてみましょう。
 
例えば自動車メーカーのテスラは化石燃料を、化粧品メーカーのボディショップは動物実験を敵としています。
 
テスラのユーザーは「電気自動車に乗ることで環境保護に貢献している」、ボディショップのユーザーは「このブランドを使うことで動物福祉に寄与している」といった意識を持っています。
 
ただ「価格が安いから」「なんとなくかっこいいから」と無意識にその商品・サービスを選んでいるわけではありません。
 
これがブランディングです。敵を明確にすることで、競争からの離脱につながります。
 
敵が具体的過ぎると角が立つので、上記のようになるべく大きなものを選ぶことが大切です。
 

ブランドの立ち位置を決める

高品質を追求するのか、低価格で提供するのか、あるいは独自のデザイン性を打ち出すのかなど、ブランドの立ち位置を決めましょう。
 
立ち位置の明確化により、顧客に対して一貫したメッセージを伝えることができ、ブランドの認知度と信頼性を高めることが可能です。
 
敵が明確でも、そこに向かってどのような角度からアプローチするのかが決まっていなければ、意味はありません。
 

ブランドのアイデンティティを明文化する

ブランドのアイデンティティとは、ブランドが持つ独自の価値観や使命、ビジョンのことです。
 
アイデンティティを明文化することで、社内外に一貫したメッセージを伝えることができます。
 
社内では従業員のモチベーション向上や、アイデンティティに共感した優秀な人材の獲得につながります。
 
顧客にもブランドの本質が伝わりやすくなり、信頼性の向上につながるでしょう。
 
アイデンティティの明文化は、敵やブランドの立ち位置を基に行いましょう。
 
例えば、アウトドアウェアブランドのパタゴニアには「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というアイデンティティがあります。
 
ただ敵を「地球を破壊するビジネス」と決めるだけに留まるのと、このように明文化するのとでは、後者の方が社内外の共感を集められます。
 

ブランドの宣伝を行う

最後に、ブランドのメッセージや価値を効果的に伝えるための宣伝活動を行います。いくら差別化ができていても、それが顧客に伝わっていなければ意味がありませんからね。
 
宣伝方法はテレビCMやチラシ、Webサイトなどさまざまです。
 
重要なのは、ブランドのアイデンティティや立ち位置に基づいた一貫性のあるメッセージを発信することです。
 
ブランディングがうまくいっていれば、少ない宣伝で大きなリターンが得られます。
 

ブランディングのお悩みはDNARBにご相談ください!

DNARBでは、企業のブランディング支援を行っています。
 
SNSや広告などの手法ありきの施策ではなく「そもそも何をやるべきか」という戦略・企画から考えます。代表本人が対応させていただく点も強みです。
 
デザインや見せ方に関するブランディング支援を提供する企業が多いなか、弊社は新しいビジネスモデルやマネタイズポイントを考える点に注力しています。
 
ブランディングのお悩みは、ぜひDNARBにご相談ください。詳しくは以下よりご確認いただけます。
 
 

まとめ

本記事では、ブランディングにおいて差別化が重要視される理由5つや差別化の具体的な方法4つを解説しました。
 
ブランディングがうまくいけば、競争を避けられます。価格競争などの不毛な争いに巻き込まれず、ブランドが最大限輝きます。
 
ブランディングにおける差別化は、以下4ステップで実行可能です。
 
  • 敵を明確にする
  • ブランドの立ち位置を決める
  • ブランドのアイデンティティを明文化する
  • ブランドの宣伝を行う
 
早速、自社の商品・サービスのブランディングや差別化に向けて動き出しましょう。